コミュニティ条項削除に関するパブコメ、開始

CIMG5065.jpg


国土交通省(以下、「国交省」)の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(以下、「検討会」)で検討されていた、「『マンションの管理の適正化に関する指針』および『マンション標準管理規約』の改正(案)」(以下、「改正案」)について、パブリックコメント(以下、「パブコメ」)の募集が開始された。パブコメの募集要項については、こちら
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=155150730&Mode=0

いい機会であるので、この問題に関する今年の動きをまとめておく。

1. 報告書公表

検討会の報告を受け、国交省は、平成27年5月にWebサイト上で平成27年3月付の検討会作成の報告書(以下、「報告書」)を公表した。この報告書は2年半のブランクを挟み、本年2月に再開された検討会を経て翌3月に卒然として決定されたものである。

2. 総務省の動き

一方、総務省は、国交省の検討会の報告書と時期を同じくして、平成27年3月、「都市部におけるコミュニティの発展方策に関する研究会」が報告書をとりまとめ、同省自治行政局住民制度課長は、平成27年5月12日付で、全国の各都道府県総務担当部局長に宛てて、同報告書の趣旨を踏まえた「都市部を始めとしたコミュニティの発展に向けて取り組むべき事項について」を通知した 。

同通知は、管理組合がコミュニティ形成活動を行いその費用を支出することを肯定・推奨し、なおかつ地方公共団体(市区町村)に対して管理組合のコミュニティ活動を、自治会等の地縁団体と同じレベルで支援するよう指示している。

そして、上記の総務省の通知には、「なお、本通知は、・・・マンション管理に係る観点から国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室(正に本件テーマを取り上げている報告書の担当課)と協議済みであることを申し添えます。」と明記されており、総務省の通知を国交省も追認していることが明らかであることが読み取れる。

3. 有志による先行意見書提出

しかし、報告書のうち、3「マンション管理組合と自治会との関係、コミュニティ活動について」(以下、「本件テーマ」)には、
a) 2つの東京高等裁判所判決に明確に反しているなど看過できない法律解釈的な明らかな誤り、
b) これまでの国交省の政策を説得力ある理由がないまま転換するという不整合、
c)総務省との合意事項に反しているという政策の一貫性の欠如
があったため、首都圏を中心とするマンション管理組合(13管理組合、合計9,309戸)は、平成27年5月28日付で、国土交通大臣、検討会座長に対して「マンション管理組合のコミュニティ業務に関する意見書」(以下、「先行意見書」)を提出した。合わせて、同日有志が記者会見を開き、この間の事情をマスコミ各社に説明した。

マスコミ各社はこの動きを受け、それぞれの媒体において、報告書の内容および内包する問題点についての解説記事を公表している。また、ネットにおいても、本テーマへの言及記事が相当数見られ、マンション管理に興味のあるブロガーたちにとっても看過できない問題であるとの共通認識ができあがった。

4. パブコメ開始

先行意見書提出後、国交書からはしばらくパブコメ募集がなかった。5ヶ月を経過して、国交省は、平成27年10月21日、「マンションの管理の適正化に関する指針(改正案)」(以下、「指針改正案」)及び「マンション標準管理規約及び同コメント(改正案)」(以下、「標準管理規約改正案」)に対するパブコメの募集に至った。

5.「標準管理規約改正案」の評価と対応

指針改正案および標準管理規約改正案には、先行意見書で指摘された問題点の一部については反映されているが、「コミュニティ条項削除」自体は維持されている。また、判例解釈についても、まだ誤解がある上に、その誤解に基づいて結論を出す論理においても牽強付会な点が多い。また行政庁の政策運営としても首をかしげざるを得ない点が多々あるので、上記先行意見書を提出した管理組合を中心として、パブコメの草案を作成中である。 <-- いま、ここ

パブコメ意見書の内容については関係者限定なので、ここでは紹介することはできない。そのうち、国交省から結果が公表されることと思う。

6. 今後の予定

パブコメの提出期限は平成27年11月19日なので、この日までには意見書を提出することとなる。意見書に賛同する管理組合は、順次理事会の決議を採っているところである。決議が揃ったところで、先行意見書と同様に各関係者に提出することとなる。

もしよければ、↓ をポチッとしていただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村





スポンサーサイト

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと 続その3 : 業界の構造的問題なのか? 先例から学ばないのか?

これまでの旭化成建材の説明は、「データ偽装は、たまたま、一人の担当者が行なったもの」という趣旨であったと理解している。ところが、2015.10.29 の新聞報道等によると、当該担当者が関与していない工事案件でも複数のデータ偽装が見つかったという。
 
これは今までの説明と異なり、データ偽装が少なくとも複数看過されていた・・・もっと辛辣な言い方をすると、「会社ぐるみ」という事を示しているものであり、今後大問題に発展する気配が濃厚である。
 
今にして思えば、販売会社が早々に「4棟立替」を提示したのは、「当該マンションだけの問題である」として幕引きを図り、他の物件への波及を避けたい意図があったと言われても仕方ない事であろう。この経緯を見ると、御巣鷹山に墜落した日航ジャンボ機の原因究明時に、「当該機体特有の問題である」として、構造設計等への問題の波及を恐れたボーイング社の対応と同じ精神構造と言える。販売会社は少なくともここでは過去に学んでいると思われる。
 
そうは言っても、マスコミ各社の記事に見える業界関係者の「本音」、業界の裏側に精通している人の匿名発言など読んでいると、氷山の一角という気もしないでもないが・・・。それだけ建設業界の余裕のなさは日常茶飯事で深刻なんだろう。
 
結局、多重下請け構造の中で、納期が決まっていて、しかもそれは余裕のないスケジュール。「すべてがうまくいく」という前提での線引きになっているのが、「ちょっと待て、やり直し」ということができない元凶のような気がしているなあ。どこかで見たような計画だなあと思ったら、先の大戦における旧日本軍、就中陸軍の作戦(たとえば、インパール作戦)と同じだと気づく。数限りない作戦失敗例から何も学んでいないという事例であろう。
 
戦後日本教育において、「失敗例から学ぶ」という領域をないがしろにしてきたツケが、またしても出てきたとも言える。成功例をいくら分析しても、そこから得られる教訓は、失敗例の分析から得られる教訓に比べると、遙かに少ない。失敗の中にこそ学ぶべき事が多く含まれている。これを良い機会として、業界が変わってくれれば良いのだけど、どうもそうはならないようだ。ほとぼりが冷めたらまた同じ事が繰り返されそうな悲観的気分だなぁ。杞憂であることを望むが。

[15/10/30:Fri]

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと 続その2 : 日立ハイテクノロジーズ社のプレスリリース

続その1(http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-52.html)でも指摘した通り、一次下請とされる日立ハイテクノロジーズ社の会社概要を見てみた。ホームページには、過去の財務諸表と並んで、有価証券報告書が上がっているし、定款も閲覧可能だ。

その定款には、第2条「目的」として、「当会社は次の事業を営むことを目的とする」とあり、その第3項に「建設業」とあるので、一応「建設業」は営業範囲であると読み取れる。ところが、2014年度の有価証券報告書を見てみると、セグメント情報のところには「建設業」はなく、組織その他の会社概要でも言及されていない。

パークシティLaLa 横浜の工事収入を計上したと思しき2007年度の有価証券報告書でも事情は同じ。ここでも、建設業に関わる記述は出てこない。前身の一つである「日製産業」時代とは異なり、現在の社名になってからは、片隅に追いやられたままとしか思えないなあ。いくら過去のつながりがあるとはいえ、三井住友建設という大手がよく一次下請けに起用したものだ。

マスコミが取り上げないのが不思議だけど、平成27年10月15日付で、本件に関するプレスリリース(http://www.hitachi-hightech.com/jp/about/news/2015/nr20151015.html)はでている。以下、全文引用する。

------------------------------------------------------------------
当社請負杭工事の不具合に関するお知らせ

当社が、工程の進捗確認、現場の安全確保等を行う一次下請として請け負った横浜市所在のマンション の杭工事において、一部不具合が発生したことが判明し、所有者様、居住者様ならびに関係各位の皆さま に、多大なご心配をおかけしていることを心からお詫び申し上げます。

現在、不具合が発生した詳細な原因につきましては、三井住友建設株式会社(以下「施工会社」)様お よび旭化成建材株式会社(以下「二次下請施工会社」)様と調査を進めております。また、今後の対応に つきましては、居住者様の安全を最優先に考え、三井不動産レジデンシャル株式会社(「施主」)様、施工会社様および二次下請施工会社様と協力の上、真摯に対応してまいります。

なお、本件に関する当社の業績への影響につきましては現時点では不明であり、確認でき次第お知らせ いたします。
-------------------------------------------------------------------
さすがに広報の専門家(ひょっとすると弁護士もくわわって)が書いたプレスリリースだけあって、巧みな表現を駆使して、「うちは杭打ち施工に関する責任はないんだよ〜」と言っているなあ。

「工程の進捗確認、現場の安全確保等を行う一次下請」というくだりがそれであって、責任の範囲は、あくまでも「工程の進捗確認、現場の安全確保」に限定されているというスタンス。まあ、私も広報する側の経験もあるから、下手なことは書けないという姿勢はわかる。そのうえで、1) 調査中である、2) 真摯に対応する というあたりさわりのない文言で、今後のフリーハンドを確保しているわけで、官庁がよく使うロジックに似ている。

畢竟、このリリースは「一次下請けとして、何も出さないと、批判されるだろうから、当たり障りのない、耳障りがよく、謝罪したかのようなリリースでも出しておけ」ということなんだろう。企業人が行う広報というのは、こういうものであって、是非はともかく、立場はよくわかるが・・・

ところで、このエントリーを書いている時点(2015/10/27)では、同日付の日経新聞朝刊コラムに取り上げられているのが目につくくらいで、あとは寡聞にしてマスコミが取り上げたという話は聞かない。「ここらあたりに何かがある」と、素人は思うがどうなんであろうか。


もしよければ、↓ をポチッとしていただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと 続その1 : 3つの疑問

マスコミ報道を聞いていると、よくわからないことが3つ(本当はもっとそれ以上だけど)ある。順番に記述する。マンション管理士さんならわかるだろうから、どなたか解説をして欲しいものである。

1. このマンション、物理的には4つの建物からなっているが、管理組合は1つではないのか?
建て替え決議は、全区分所有者の4/5以上かつ各棟も2/3以上の賛成が必要と解説しているマスコミがほとんどだけど、実際は団地型ではなく、単棟型ではないのか? 700戸程度、かつ商業用施設がないのであれば、団地型を採用するメリットはないはず。普通全体で1つの管理組合だと思うが、マスコミはちゃんと管理規約に当たったのかな?

2. 契約の商流に入っていない「旭化成」が表に立つのは非常に奇異な感じがする。
旭化成建材のホームページを見ると、たしかに旭化成の100%子会社であるが、法人格は別である。普通は、当事者である旭化成建材が表に立つと思う。補償問題等で、親会社が手伝うことはあっても、それは裏方であり、矢面に立つべきは旭化成建材だと思うのだが・・・「法人格否認」という理論はあるが、それは最後の手段であって、この段階から適用すべきではないと思うのだが・・・

3. 三井住友建設、日立ハイテクノロジーはなぜ出てこない?
マスコミの図によると、三井不動産レジデンシャル — 三井住友建設 — 日立ハイテクノロジー — 旭化成建材という商流だけど、なぜか元請たる三井住友建設、一次下請と言われている日立ハイテクノロジーが表に出てこない。この2者の責任は問わないの? しかも、日立ハイテクノロジーは建設会社とは思えない事業内容なんだけど、なんでここを入れる必要があったのかな?

素人目には、この辺りを追求するマスコミがいないことが気にかかる。

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと 続その1 : 3つの疑問

マスコミ報道を聞いていると、よくわからないことが3つ(本当はもっとそれ以上だけど)ある。順番に記述する。マンション管理士さんならわかるだろうから、どなたか解説をして欲しいものである。

1. このマンション、物理的には4つの建物からなっているが、管理組合は1つではないのか?
建て替え決議は、全区分所有者の4/5以上かつ各棟も2/3以上の賛成が必要と解説しているマスコミがほとんどだけど、実際は団地型ではなく、単棟型ではないのか? 700戸程度、かつ商業用施設がないのであれば、団地型を採用するメリットはないはず。普通全体で1つの管理組合だと思うが、マスコミはちゃんと管理規約に当たったのかな?

2. 契約の商流に入っていない「旭化成」が表に立つのは非常に奇異な感じがする。
旭化成建材のホームページを見ると、たしかに旭化成の100%子会社であるが、法人格は別である。普通は、当事者である旭化成建材が表に立つと思う。補償問題等で、親会社が手伝うことはあっても、それは裏方であり、矢面に立つべきは旭化成建材だと思うのだが・・・「法人格否認」という理論はあるが、それは最後の手段であって、この段階から適用すべきではないと思うのだが・・・

3. 三井住友建設、日立ハイテクノロジーはなぜ出てこない?
マスコミの図によると、三井不動産レジデンシャル — 三井住友建設 — 日立ハイテクノロジー — 旭化成建材という商流だけど、なぜか元請たる三井住友建設、一次下請と言われている日立ハイテクノロジーが表に出てこない。この2者の責任は問わないの? しかも、日立ハイテクノロジーは建設会社とは思えない事業内容なんだけど、なんでここを入れる必要があったのかな?

素人目には、この辺りを追求するマスコミがいないことが気にかかる。

[15/10/22:Thu]

もしよければ、↓ をポチッとしていただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと:まとめ

恒例のまとめ。この問題については進展があれば、新エントリーを追加するかもしれませんが、とりあえず現時点でのまとめです。

1. ]パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと その1
http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-47.html

2. パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと その2 : 3年半は長すぎる
http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-48.html
3. パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと その2 : 3年半は長すぎる
http://micky0011.blog.fc2.com/blog-entry-49.html

[15/10/22:Thu]


もしよければ、↓ をポチッとしていただけると嬉しいです♪

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと その3 : 「Engineer」を置けば?

データ改竄の問題を防止するにはどうすればいいのか? 斯界の専門家が考えているに違いないので、私のような素人の出る幕ではない。でも、素人は素人なりに考えていることがあるので、その辺りのことを備忘録代わりに。

国際的な土木やプラント工事に関して、標準契約として採用されているものに「FIDIC」というものがある。「FIDIC」がどういうものであるかは、検索すればわかるのでここでは述べない。

注目したいのは、FIDIC が採用している「Engineer」という仕組みである。「Engineer」というのは、発注者、請負人双方から独立した存在であり、しばしば野球におけるアンパイアに例えられる。発注者、請負人間のトラブルというか、差異を埋める役割を果たす役割を果たしている。

国内専門の マンション建設会社には馴染みがなくとも、国際的な工事を請け負っているゼネコンは当然知っている。

国内の建設工事でも、良心的な発注者であると、施工管理は請負人に丸投げすることなく、工事の節目節目ではいわゆる「工程会議」を開催して、工事の進捗状況、品質管理状況をチェックしているはず。そうはいっても、発注者は工事に関して知識も知見も経験も乏しいことがあるので、ともすれば請負人の提出するデータを信じるほかはないと言うことになりかねない。

そこで、この工程会議に「エンジニア」を活用してはどうか? というのが基本コンセプト。ヴァリエーションとしては、「工程会議」のみならず、現場常駐で日々の施工まで見ておくというのもありだと思う。そこまで極端でなくとも、1回/週とか抜き打ちでチェックするとか、いろんな知恵が出せると思う。

「日本では、こういう制度は馴染まない」と主張する向きもあるかもしれないが、そうではない。マンションの大規模修繕においては、「施工監理」を第三者が請け負うのが(すくなくともメガマンションでは)デフォルトなんだから、新築でできないはずがない。声高に反対する向きは、「後ろめたい事がある」のでは? と邪推したくもなる。

今回の横浜の物件が「建替」になるのであれば、実験的に「Engineer」を置いて、その運用を含めた実証実験としてへどうなのか? 有用性が確認できれば、活用が進むであろうし、なにより売主の信用回復に繋がると思うのであるが。災い転じて福となす。老婆心まで。

実は、この「Engineer」制度を導入すればいいと思う業界は別にあって、20年前くらいからそう主張しているんだけどねえ。その業界には国際的な土木やプラント工事に精通している人材がいないのかなあ。

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと その2 : 3年半は長すぎる

マスコミ報道によると、データ改竄は杭だけじゃなくコンクリートにも及んでいそうですね。杭だけなら、下請けに責任押し付ければ済むと考えていたんでしょうが、コンクリートにまで及ぶと「工事施工体制」そのものに欠陥ありということになって、上層部にまで責任が及びかねないから、先手を打って「全棟建替」を提案したのかなあ。姑息だなあ。じゃあ、工事施工体制をどうすればいいのか? という点に関する、私見は、次のエントリーで書く。

ところで、「全棟建替」だと、3年半かあ・・・こっちの結論になった時に、住民をまとめて仮住いさせる場所が用意できるのかどうか? 大三井といえども、相当に難しそうだね。

3年半というのは長いからなあ。中学入学した子供は高校に進学しているし、大学だってほぼ終わり。オリンピックから次のオリンピックまでだものね。

それだけの期間、仮住いとはいえ、ある場所に住んじゃうと、そちらのコミュニティに溶け込んで、今度は 「帰るのは嫌だ!」となりかねない。帰ったって、3年半の年月は確実に住民を変化させている。コミュニティ再建は、真っ白なところから形成するより、確実に労力がかかるであろう。恨み辛みも出かねないから。

パークシティLaLa横浜に関して、理事長として思うこと

横浜のマンションで、杭打ち不良によって、建物が傾いた事件が世間の耳目を騒がせています。当事者となった方は、さぞ心配でしょう。同情に耐えません。
 
本件に関しては、マンションマニア系の有名ブロガー諸先輩が、それぞれの立ち位置で卓越したエントリーを書いているので、あえて付け加えることはありませんが、管理組合理事長として一言。
 
本件解決方法としては売主が提案している全棟建替えか、あるいは損害賠償をもらって引っ越すかの選択肢しかないように思えます。住民としては悩ましいところです。というのも、該マンションは2007年竣工と報じられているので、すでにある程度のコミュニティが形成されていると推測できるからです。
 
住民の中にはこのマンションを終の住処と決めて、地域活動に注力していた人がいいるはずです。また若い子育て世代でも、ママ友ネットワークが出来上がっており、それなりの快適なご近所付き合いをしているだろうなあと思えます。
 
この人たちにとっては、「マンションに住み続ける」ことこそが生活を支える最大の価値だろうと思えます。従って、この人たちは、上記の選択肢のうち、「建替え」を選ぶと思います。
 
一方、子供がいない世帯は、コミュニティとは比較的距離を置いてきた(私が住むマンションでもそうです)と想像がつきます。通勤至便とかの事情がない限り、「損害賠償」を選ぶのではないかなと思います。
 
建替えは、区分所有者の4/5の賛成が必要です。単純に総会出席者の4/5ではなく、全区分所有者の4/5ですから、緩和されたとは言え、相当に高いハードルです。
 
該マンションの区分所有者がどちらを志向するのかは外部からはうかがい知れませんが、何れにしても管理組合、就中理事長が強力なリーダーシップを発揮しなければまとまらないでしょうね。この問題に対処する理事長が、輪番制で選出された理事で「ジャンケンに負けて理事長に就任した」というのではないことを祈ります。
 
たとえ自ら立候補した理事長であっても片手間で対応するには荷が重すぎるなあと思います。本業の仕事をしながらだと、悪くすれば過労死しかねない状況ですから。こういう時には、全部自分でかかえこむのではなく、さっさと専門委員会を作ってそこに作業を任せ、「最後の決断は理事長が行なう」というのが理想でしょう。私だったら、全部自分で抱え込みそうだけど(苦笑)
 
建替えを好むコミュニティができあがっているのなら、そちらから何人かの委員、「損害賠償」派からも相応の人数を出してもらうしかないでしょうね。委員会で問題点をつぶして、何回かの住民説明会を経て総会でしょうね。
 
「建替」が多数だけど、あと僅かで4/5に届かないと言うのであれば、建替えに準じて、「反対する区分所有者の住戸を買い取る」ことが可能なのかどうか、法的検討も行なっておいた方がいいかもしれません。

第15回RJC48勉強会

10月10日、土曜日に第15回RJC48 勉強会が南千住で行なわれた。
 
勉強会に先立ち、主催者の理事長のマンションの見学会。よそのマンションを堂々と見る機会はあまりないので、定刻の11時前には、すでに20名近くの物付きな、いや、熱心な会員が集まっていた。当然私もその中の一員である。
 
最初は屋上に登り、全体感を把握。その後、共用部のツアー。ポンプ室、機械式駐車場、ゴミ置場、自家発電設備などを見て回り、続いて外構の植栽、共用棟のゲストルームや理事会を開いているが集会場など。マンションごとに設備が違うので、勉強になるねえ。
 
ツアー後は、会場に移動。そこで昼食。他の人はコンビニで弁当を買っていたが、私は持参していたゆで卵とゆで鶏。食事内容が違うので仕方ないことである。会場に入る際に懇親会費を徴収されるが、世話をして入れていた管理会社さんが、懇親会に参加しない人からも徴収してしまい、あとで返金するというハプニングもあった。席は指定。怖い理事長をあらかじめ分散しておくという隠れた目的もあるのだろうけど、知り合い同士で固まるのを防ぐ狙いもあるようだ。
 
ほぼ定刻に開始。主催者挨拶のあとは、昨年45マンションを対象に実施したアンケートの結果報告と、データの見方の説明。対象領域を、ハード、ソフト、ハートに分けてそれぞれの要素を数値化するという手法で、これはこの方式を考えだしたMさんのオリジナル。主宰者が「この著作権は、Mさん帰属ということでご理解ください」というのもわかるような
力作。纏めるには相当の時間がかかったはず。昨晩から今日にかけては徹夜だったのだろうなあ。でも、もう少し見せ方にはあ工夫の余地がありそうなので、協力できればいいなと思っている。
 
説明後、配られているアンケートに記入することに。2ページもので、昨年のアンケートと同じもの。さて、うちは進歩したのかな?
 
ショートブレイクを挟んでワークショップ。それぞれのグループで、「自分のマンションの弱点」を付箋紙に書き出し、それをまとめてグループとしての弱点を集約するというもの。私のグループには、遠路はるばる泊りがけで参加してくれた理事長さん、在外オーナーの方、防災研修のプロという面子。結果、「防災倉庫がない」、「コミュニティが未成熟」という2点を指摘しておいた。
 
それぞれがまとめたところで、後半戦。一人だけ残し、のこりのメンバーは、別のテーブルに移動。残った1人は移ってきた3人に対して、その結論に至った経緯を説明。その後、全員で解決策を検討し、提案するという流れになる。うちのテーブルは、私が残ったので、移ってきた人(全員知り合いだ)に説明し、議論。「防災倉庫がない」という点については、「立てればいいじゃん」というにべもない対策(苦笑)。さらに、「コミュニティが未成熟」と言う点についても、「自助が基本。共助に過度の期待を抱かせないようにする」とまあ、某理事長が好みそうな結論(笑).。
 
これを各テーブルで発表だけど、Bグループにもかかわらず、なぜか最初に発表させられた。そんなにしゃべりたがりと思われているのかな。心外である。最後のグループまで発表した後は、参加者1人10枚のシールをもって、琴線に触れた解答をsを貼るといういわば人気投票。うちは、惜しくも次点だったなあ。「共助に過度の期待を抱かせない」というのは、メガマンションの理事長理事長受けはするけど、経験ない人には刺さらないから仕方ないか。

このワークショップの後は、アンケートの解説の続き、MALCA 理事の人の公演、地区防災計画への参加などの話が続くが、長くなるので、今回はここまで。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。